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更新日:2025/07/10

公開日:2024/08/29

ヴァイツェンビールとは?味の特徴や歴史について

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目次

「ヴァイツェン」と書かれたビールを、最近ではよく店頭でも見かけるようになりました。店頭POPなどでは、よく「飲みやすい」「女性におすすめ」などと説明されています。しかしながらヴァイツェンがどのようなビールなのか、よく知る方は意外に少ないのではないでしょうか。
ヴァイツェンとはいったいどのようなビールなのか、この記事でくわしく説明します。長い歴史で培われたヴァイツェンの魅力、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

 

ヴァイツェンとは?

ヴァイツェンとは?

ヴァイツェンとは、南ドイツ発祥の上面発酵のビールです。その最大の特徴は「ヴァイツェン(ドイツ語で「小麦」)」という名前のとおり、小麦麦芽を原料の50%以上使用していること。大麦麦芽よりたんぱく質が多く含まれるため、細かいクリーミーな泡がモコモコと立ち、なかなか消えずに長持ちします。ドイツのバイエルン州では“ヴァイスビア”と呼ばれることも。

一般的なビールの原材料である大麦に比べて、ヴァイツェンの原材料である小麦はたんぱく質が多く含まれているため白く濁っているものが多いのも特徴です。

後述しますが、ヴァイツェンにはいくつか種類があり、にごりをろ過した「クリスタルヴァイツェン」やアルコール度数が高めの「ヴァイツェンボック」など、さまざまな味わいを楽しめるのもヴァイツェンの魅力のひとつです。

 

基本情報

発祥国 ドイツ
発酵方法 上面発酵
アルコール度数 5~9度
ビールの色合い 淡色~褐色
味の特徴 バナナやスパイスのような香りや味わいを感じ、苦みは少ない

 

ヴァイツェンの発祥・歴史

ヴァイツェンが生まれたのは、南ドイツのバイエルン州です。現存する最古の醸造所「ヴァイエンシュテファン醸造所」で造られたのが発祥とされています。1040年の創業ですので、実に約1000年前の話です。

ドイツには現在でも存在する法律で、1516年に発令された「ビール純粋令」という法律があります。これは、大麦、ホップ、水以外の原料でビールを造ってはいけないという法律で、小麦から作られるヴァイツェンはもちろんこの条件には当てはまりません。

しかし、このビール純粋令が発令された中でも、王侯貴族のブルワリー(醸造所)のみでは小麦を使ったヴァイツェンの製造を特別に認めるという法律が同時にありました。この法律のおかげで、18世紀ごろまでは王侯貴族にヴァイツェンの製造が独占され、ヴァイツェンが「貴族のビール」と呼ばれる由来になったのです。

長らく造られてきたヴァイツェンですが、ラガービールの人気に押されて19世紀ごろには製造が下火となります。冷蔵の技術が発達したことで味がより一層おいしくなったビールの人気が伸び、常温発酵で作られるヴァイツェンの人気は低迷。製造の権利も、王侯貴族から民間のブルワリーに譲渡されました。

しかし1960年ごろから再評価され、徐々に製造も復活していきます。クラフトビールブームの人気に火がつきはじめた頃のアメリカでもヴァイツェンが製造され、1994年には日本でも地ビールの製造が解禁されたことでヴァイツェンが造られるように。

現在では、白ビールといえばヴァイツェンが思い出されるほど、日本やアメリカ、世界中でポピュラーなビールの一種となりました。

 

白ビールとの違いについて

白ビールとの違いについて

「白ビール」とは、小麦を原材料に使用しているビールを指します。よって、ヴァイツェンは白ビールの一つという位置づけです。他に「ベルジャンホワイト」「ベルリーナヴァイセ」などが、著名な白ビールになります。
ベルジャンホワイトはベルギー産の白ビール。原料に小麦そのものを使用し、コリアンダーシードやオレンジピールで風味づけされています。ベルリーナヴァイセは、小麦麦芽を30%ほど使用したベルリンの白ビール。
アルコール度数は3~4%と低く、爽やかな酸味のあるビールです。

 

ヴァイツェンの味わいや特徴

ヴァイツェンの味わいや特徴
小麦から作られたヴァイツェンには、他のビールにはない個性的な味わいやビール自体の特徴があります。それは、フルーティーさとスパイシーさ、苦味のなさ、そしてキメ細やかな泡です。

それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

 

フルーティーなバナナとスパイシーなクローブの風味

ヴァイツェンの味を説明するときにまっさきに想像されるのが、バナナとクローブです。

コクがあり、もったりとした甘みのあるフルーティーな香りは南国のバナナを思い起こさせます。そしてその中に香る心地よいクセとピリッとしたスパイシーな香りは、クローブの実。

バナナのようなフルーティーさがさわやかさをプラスし、クローブのようなスパイシーさが味にアクセントを加えてくれることで、飽きのこない味わいをつくり出しています。

風味が主張しすぎないので、基本的にはどんな食事にも合わせやすいのも◎。

 

苦味がないまろやかな味

ヴァイツェンの味の特徴としてもう一つ代表的なものが、苦味がほとんどないまろやかな口当たり。独特な苦味や味のクセが、ビールが苦手な理由として挙がりがちですが、ヴァイツェンはビールが苦手な人でも「飲みやすい!」というほど苦味が抑えられています。“飲むパンのよう”と例えられることもしばしばあるようです。

数多くのビールを並べて飲み比べても、口当たりのまろやかさと苦味の少なさから簡単にヴァイツェンを当てることができるほど、ヴァイツェンには他のビールとの味わいの差があります。

 

キメ細やかな泡

豊かな泡立ちが見た目にも美しいのが、小麦から作られたビールであるヴァイツェンの特徴です。キメ細やかな泡が口に入ってくる瞬間の舌触りのよさはヴァイツェンならでは。泡がビールを覆ってくれることで、ヴァイツェンならではのフルーティーでスパイシーな香りを最後のひと口まで愉しめます。

このクリーミーな泡を最後まで保ちながらヴァイツェンを味わいたい人は、ヴァイツェングラスという専用のグラスを使うといいですよ。

 

ヴァイツェンの種類

ヴァイツェンの種類

ヴァイツェンには数多くの種類がありますが、ここではヴァイツェンを代表する主な4種類

  • 「ヘーフェヴァイツェン」
  • 「クリスタルヴァイツェン」
  • 「ドゥンケルヴァイツェン」
  • 「ヴァイツェンボック」

をご紹介していきます。

それぞれ少しずつ製造方法が異なるので、ヴァイツェンの特徴をしっかり残しながらも幅広い味わいを楽しむことができます。お気に入りの種類を見つける際の参考にしてみてくださいね。

 

ヘーフェヴァイツェン

ドイツ語で酵母という意味を持つ「ヘーフェ」が名前についているとおり、酵母をろ過せずビールに残しているのがヘーフェヴァイツェン。もともとたんぱく質が多い小麦を使い、さらにろ過していないため、白く濁ったような色味も特徴のひとつです。

ヴァイツェンのフルーティーな香りは酵母由来のものなので、酵母をろ過していないヘーフェヴァイツェンではより一層豊かな香りを楽しむことができます。

ビンや缶の底に酵母が溜まっているので、飲む前にはビンや缶をコロコロと転がして酵母を混ぜるのがヘーフェヴァイツェンをおいしく飲むコツ。さっぱりとした味わいが好きな人は、本場ドイツのようにレモンをキュッと絞っていただくのもおすすめですよ。

 

クリスタルヴァイツェン

ヘーフェヴァイツェンが酵母をろ過していないのに対し、酵母がろ過されているのがクリスタルヴァイツェンです。ろ過されたことによりビールの濁りが消え、金色に美しく輝くのが“クリスタル”という名前にぴったり似合います。

ヘーフェヴァイツェンと比べるとコクが抑えられ、スッキリぐびぐびと飲み進められるような喉ごしに。香りや風味はやはり、ヴァイツェン特有のバナナのフルーティーさをしっかりと感じられます。

 

デュンケルヴァイツェン

デュンケルヴァイツェンは、白ビールでありながらも濃い茶褐色なことが特徴です。名前の「デュンケル」も、ドイツ語で「色が濃い」という意味があります。濃い茶褐色になる理由は、焙煎された麦芽を使っているから。

パッと見は黒ビールのような印象を受けますが、ヴァイツェンであることには変わり無いので味の特徴も変わらず、苦味が抑えられた飲みやすいビールのまま。ただ、麦芽が焙煎されることによってコクと深みのある味わいが増し、カラメルのような香りを楽しめるようになっています。

 

ヴァイツェンボック

ヴァイツェンボックは、ヴァイツェンのスタイルをベースに、上面発酵で作られたビールです。

ボックはドイツ語で「雄ヤギ」という意味を持ち、雄ヤギのように元気になると言われたことが名前の由来。ボックはもともとアルコール度数が高いビールで、ヴァイツェンボックも7〜9%と他のヴァイツェンに比べると高めのアルコール度数になっています。
ヴァイツェンボックは、ヴァイツェンの一種ともボックの一種とも言えるでしょう。

ろ過していないことによる酵母の色と、ボックの色が合わさってほかのヴァイツェンより少し濃い色が特徴です。

味わいは、ヴァイツェンの優しい甘みやフルーティーさは失わず、ボックのしっかりとしたコクとローストされたような香りを楽しむことができます。

 

ヴァイツェンの選び方

ヴァイツェンの選び方

上に述べたように、ヴァイツェンにはさまざまな種類があります。まずは、スタンダードなヘーフェヴァイツェンを飲んでみるのがおすすめです。さまざまな種類のものを飲んで味の違いをみたり、いろいろな国で造られているものを飲み比べたりするのもよいでしょう。日本でもヴァイツェンはたくさん造られているので、醸造所でどのように違うのか比較するのも面白いですよ。食事の際に飲むときは、あっさりとした料理と合わせるとお互いのよさが引き立ちます。

 

ヴァイツェンの美味しい飲み方

ヴァイツェンの特徴は、細かくて豊かな泡立ちにあります。その泡を存分に楽しむため、専用のヴァイツェングラスで飲むのがおすすめです。細長く上部が膨らんだ形状なので、泡もちがさらによくなります。グラスに油や汚れが残っていると泡が消えてしまうので、きれいに洗って自然乾燥させるのがポイント。ヘーフェヴァイツェンの場合、底に濁り分が沈殿しているので、注ぐ前にゆっくりと瓶や樽を振って中身が混ざるようにしましょう。瓶や缶のまま飲むのとはまったく違った、お店で飲むような味わいとなりますよ。

 

まとめ

ここまで、ヴァイツェンについて説明してきました。ドイツでは非常に伝統のあるビアスタイルのヴァイツェン。
本場ドイツはもちろん、日本のクラフトビールメーカーでもさまざまな商品が造られています。同じヴァイツェンでも、それぞれの醸造所や種類によって香りや味わいは多種多様です。いろいろな種類を飲み比べてみるのも、新しい発見があって楽しいものです。

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クラフトビールといっても種類が豊富にあり、ホップの苦味や香りがクセになる「IPA」や、コクの深さが日本人に合う「ペールエール」などさまざまです。

売れ筋ランキングでは週間ランキングや、クラフトビールの種類別ランキングが分かり、最近のトレンドが把握できます。これまで知らなかったクラフトビールに出会え、嬉しい発見ができるはず。

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