ビールの縁側

未確認

更新日:2025/08/01

公開日:2024/08/29

クラフトビールの定義と種類、地ビールとの違いは?

最近、よく耳にするようになった「クラフトビール」。スーパーやコンビニでも、販売されるようになり、身近な商品になってきています。 クラフトビールとは、簡単に言うと、小規模醸造所がつくるビールのこと。大手ビール会社が販売するビールとは、何が違うのでしょうか?地ビールとの違いは?話題のクラフトビールについて、学んでいきましょう。
ビールの縁側ロゴ

ビールの縁側/編集部

ビールの縁側/編集部

公式アカウント

Facebookアイコン Xアイコン Instagramアイコン YouTubeアイコン

日本各地のブルワリーからこだわりのビールを直接購入できる、国内最大級クラフトビール専門の産直通販サイト「ビールの縁側」を運営。会員登録数1万人突破。編集部メンバー全員が大のクラフトビール好き。

目次

クラフトビールの起源

ビール自体は5000年以上の歴史があり、ドイツやベルギーを中心としたヨーロッパから広まったものですが、クラフトビールの起源は、アメリカにあります。1970年代のアメリカで、大手ビール会社がつくる画一化された味のライトラガーとは異なる、じっくり味わう昔のレシピを使ったビールを復活させたことから始まりました。アメリカでは、自宅でビールをつくることができるホームブルーイングが解禁となったことも手伝い、小規模醸造所が爆発的に増加して、クラフトビール文化が発展したのです。

クラフトビールの定義

アメリカには「クラフトビールの定義」があり、「小規模」「独立」「伝統」の3条項で始まりました。これは、時代の流れと共に変更され、現在では、さまざまな副原料や製法でつくられた個性的なビールも含まれるようになっています。日本でも同様に、業界団体による「クラフトビールの定義」があり、大資本の大量生産のビールから独立したビールづくりを行なっていることや、1回の仕込単位が20キロリットル以下の小規模な仕込みであることなどが、定められています。

ラガー?エール?ビールの種類とクラフトビール

ビールの種類は、発酵方法によって大きく2つに分類されます。下面発酵の「ラガー」と、上面発酵の「エール」です。さらにその下に、発祥国や原料、製法、香味などの特徴で、細かくスタイルが分けられます。ビアスタイルを把握していれば、ビールを選ぶ際に、どんな味かを推測しやすくなります。ビアスタイルはたくさんあるため、すぐに覚えるのは大変ですが、ラガーとエールの違いを知っておくだけでも、自分好みの味の傾向がつかめるでしょう。

ラガーとエールの違いについては下記のコラムでも解説していますので、併せてご覧ください。

>>エールとラガーの違いは?ビールの種類を知って飲み比べしよう

クラフトビールに多い「エールビール」

「エールビール」は、豊かな味わいと香りが特徴で、じっくりと味わうビールです。歴史が古く、イギリスでは中世以前から「エール」と呼ばれるビールがありました。常温程度で発酵し、発酵の際に発生する炭酸ガスの泡とともに表面に浮かび上がる「上面発酵」でつくられます。発酵期間も3〜5日程度と短く、効率良くつくれることから、小規模醸造所のクラフトビールに多い製法です。原料の幅も広いため、地元の農産物を使ったオリジナリティあふれる地ビールが生み出されています。世界的にも、大手メーカーがつくるラガービールの人気に押されてしまう時代もありましたが、近年のクラフトビールブームによって、エールビールは見直されています。日本でも、知られていなかったビールの美味しさによって、新たなブームが起きています。

ピルスナーで知られている「ラガービール」

「ラガービール」は、すっきりとした飲み口と爽快感のある、のどごしが特徴のビールです。15世紀のドイツ南部で誕生した製法で、低温で長期熟成させることから「貯蔵」という意味のドイツ語 “LAGERN(ラーゲルン)” から名付けられました。発酵後期に酵母が凝集して底に沈む「下面発酵」でつくられます。大量生産に向いているため、日本の大手メーカーでつくられているビールのほとんどが、ラガービールの「ピルスナー」です。ピルスナーは、チェコのピルゼンで、ドイツ式のビールをつくろうとしたところ、水質の違いから偶然誕生したビールです。その美しく透き通った黄金色と真っ白な泡のビールは、人々を魅了し、今日では世界中で最も飲まれているビールといわれています。

【番外編】生ビールはどの種類になるの?

居酒屋やレストランなどのメニューで見かける「生ビール」という言葉。一般的に、サーバーから抽出した樽詰ビールをそう呼びますが、「生ビール」という種類があるわけではありません。これは、製造方法の違いのこと。「生ビール」に対するものには「熱処理ビール」があります。昔のビールづくりでは、ろ過によって酵母を完全に取り除く技術がなかったため、熱処理をして酵母を死滅させていました。そのため酵母をろ過する技術が登場すると、飲食店では、新鮮なイメージである「生ビール」が宣伝文句となったのです。現在、熱処理ビールは少なくなりましたが、ビールのパッケージには「熱処理」または「生ビール(非熱処理)」と表示されています。ピルスナーでも、黒ビールでも、熱処理をしていなければ「生ビール」なのです。

地ビールとクラフトビールの違い

地ビールとクラフトビールの違い
「地ビール」も「クラフトビール」も、小規模醸造所がつくるビールのことです。日本では、1994年の規制緩和で、数多くの小規模醸造所が誕生しました。そこで、地域に根付いたビールとして呼ばれていたのが「地ビール」です。当時は、お土産や町おこしの要素が強く、一時的なブームで終わりましたが、その後、自分の手で個性的なビールをつくりたいという醸造家たちにより、手工芸品(craft)をたとえた「クラフトビール」という名前で、新たなブームが起きました。現在では、町おこしにとどまらず、海外のコンテストで受賞するビールもたくさんあります。日々、おいしさに磨きをかけて、こだわりを持ってつくり続ける。それが、職人の手による「クラフトビール」なのです。

地ビールとクラフトビールの違いについては下記のコラムでも解説していますので、併せてご覧ください。

>>地ビールとは?クラフトビールとの違いについて

参照元:
「クラフトビール(地ビールとは)」全国地ビール醸造者協議会(JBA)

普通のビールとクラフトビールの違い

みなさんがイメージする普通のビールは、大手ビールのような、黄金色で、クリアに透き通った、こんもりとした白い泡のビールかと思います。しかし、クラフトビールには、茶色や赤、まるでオレンジジュースのような、にごった色のビールまであります。味も普通のビールとは異なり、フローラルな香りがするものや、ブランデーのような奥深い味わいがするものなど多種多様です。その違いは、製法や使われている原料の幅広さにあります。世界中のビアスタイルを参考にしてつくるクラフトビールは、香りを楽しみながら、じっくり味わうお酒でもあるのです。

クラフトビールの代表的な種類

クラフトビールの種類
ビールの種類は「スタイル」と呼ばれ、150種類以上もあるといわれています。このスタイルをもとにしてつくられるクラフトビールは、伝統的な製法のものから、ブルワリーの個性でアレンジされたものまでさまざまです。ここでは、代表的なビールのスタイルを見ていきましょう。

IPA

IPA(アイピーエー)」は、インディア・ペール・エールの略で、18世紀末頃のイギリスで、インドにペールエールを運ぶためにつくられました。長く過酷な航海のために、劣化を防ぐ役割のあるホップを大量に使い、アルコール度数を高めにしたといわれています。強いホップの香りと苦味が印象的で、熱狂的なファンが多いビアスタイルです。IPAには、苦味やアルコール度数を高めた「インペリアルIPA」や、トロピカル系のアメリカンホップの強い香りと、にごったオレンジ色が特徴の「ニューイングランドIPA」など、さらに細かいスタイルがあります。

>>IPAビールとは?味の特徴や歴史について

ペールエール

ペールエール」は、イギリス中部のバートン・オン・トレントで生まれたビールです。当時のビールはほとんどが濃色だったため、それよりも「淡い(ペール)」という意味で、ペールエールと呼ばれています。イギリスの伝統的なビアスタイルですが、後にアメリカに渡り、世界的に人気となりました。イギリス産ホップを使った「イングリッシュスタイル・ペールエール」は、刈草やアイスティーのような香りが印象的。「アメリカンスタイル・ペールエール」は、アメリカンホップのフルーティかつフローラルな香りが最大の特徴です。

 

ヴァイツェン

ヴァイツェン」は、小麦麦芽を使ったドイツの伝統的な白ビールです。小麦と酵母による、バナナのようなフルーティーな香りと、苦味をほとんど感じない、やわらかな口当たりが特徴的です。小麦ビールならではの泡立ちと泡持ちの良さもあります。一般的なヴァイツェンは、酵母をろ過しないでつくる、濁りのある「ヘーフェヴァイツェン」ですが、酵母をろ過して透明に澄んでいる「クリスタルヴァイツェン」や、ロースト麦芽を使用した濃色系の「デュンケルヴァイツェン」などもあります。

>>ヴァイツェンビールとは?味の特徴や歴史について

ピルスナー

ピルスナー」は、世界中で最も普及しているビールで、日本の多くのビールがこのビアスタイルです。透明感のある明るい黄金色に、真っ白な泡、ホップがきいた爽快な香味が特徴的です。1842年に現在のチェコのピルゼンで、ドイツのミュンヘンタイプの濃色ビールをつくろうとしたところ、偶然生まれたのが、この黄金色のビールでした。チェコの工芸品である透明なボヘミアングラスに注ぐと、美しい黄金色が引き立ち、大評判になったそう。そこから世界中に広まり、現在のビールの主流となっています。ゴクゴクのどごしを楽しむ定番のおいしさで、どんな料理にも合わせやすいビールです。

>>ピルスナーとは?味の特徴や歴史について

スタウト

スタウト」は、黒ビールの代名詞ともいえる、ロースト麦芽のコーヒーのような香りと苦味が特徴のビールです。18世紀初めに、ロンドンで流行していたポーターがアイルランドに伝わり、アルコールを強化してつくったことがはじまりです。麦芽もホップもポーター以上に使用していたことから、「スタウト(強い)」という名前がついています。スタウトには、カキのエキスを入れてつくる「オイスタースタウト」や、チョコレート香が際立つ「スイートスタウト」など、個性豊かなバリエーションがあります。

>>スタウトビールとは?味の特徴や歴史について

フルーツビール

フルーツビール」は、果実やフルーツ果汁を使ってつくられます。ベルギーでは、フランボワーズやカシスを使った伝統的なフルーツランビックが有名ですが、日本のクラフトビールでは、地元産のフレッシュなフルーツを使ったビールが人気です。桃やマンゴー、りんご、みかんなど、使用されるフルーツも多彩で、フルーツの香りは、ホップの風味に負けないくらいしっかりしていて、見た目もジュースのよう。甘くて飲みやすいことが、最大の特徴です。食事と一緒に飲むことはもちろん、食後酒として、ケーキやチョコレートなどのデザートとのペアリングまで楽しめます。

>>フルーツビールとは?味の特徴や歴史について

それぞれのビアスタイルが持つ「味」や「香り」「色」の違いは、製造方法や原料によるもの。「ビールづくりの基礎知識」を知っておくと、さらに自分に合ったビールが選べるようになります。

以下の記事では「クラフトビールの基本」をイラストやチャートを使い、わかりやすく解説していますので、ぜひ参考にチェックしてみてください。
【早見表】クラフトビールの種類とは?特徴や選び方について

 

クラフトビールを楽しむためのポイント

クラフトビールは五感で楽しむビールです。味や香りだけでなく、グラスに注がれるときの音や、立ち上がる泡の躍動感、美しく輝く色なども、美味しさを構成する要素です。ここでは、クラフトビールを最大限に楽しむためのポイントをまとめました。

目で見て「色」を楽しむ

みなさんが良く知るビールは、透き通った黄金色で、真っ白な泡がのったビールかと思いますが、クラフトビールは色の種類が豊富。琥珀色や赤銅色、黒色など、さまざまです。ビールの色は、原料や製造工程で生み出されます。ヴァイツェンなら、小麦麦芽や酵母による白濁した淡い黄色。ポーターやスタウトなら、焙煎麦芽による黒色など、見た目だけでもスタイルやビールの特徴がわかります。色の違いは泡にも表れますので、ぜひグラスに注いで、その違いを楽しみましょう。

鼻で「香り」を楽しむ

ビールの香りの楽しみ方は2通り。ひとつは、鼻で感じる「アロマ」です。まずは、缶を開けたときやグラスに注いだときに広がる香りを楽しみましょう。もうひとつは「アフターフレーバー」で、ビールを口に含んで飲んだときに、鼻から抜ける香りです。特に香りが特徴のエールを飲むときは、この2つを意識してみましょう。ビアスタイルによって、麦芽、ホップ、酵母など、原料のどれが強調された香りなのか、違いを感じることができます。

舌で「温度」や「味わい」を楽しむ

一般的な大手メーカーのビールは、ゴクゴクと「喉」で味わうものが多いですが、クラフトビールは「舌」で味わうビールです。すぐ飲み込んでしまうのではなく、口に含んでから、舌をぐるっと回転させると味がよくわかります。いつも飲んでいるビールも、のどごしだけでは感じられなかった味の違いに気づくでしょう。クラフトビールに多いエールは、常温に近いくらいが、よりおいしく飲めるといわれています。じっくりと時間をかけて飲むことで、温度変化による味の違いも楽しめます。

 

まとめ

ふだん大手ビールにしか目が行かなかった人でも、じっくりとお酒コーナーを見てみると、クラフトビールに出会えるかもしれません。クラフトビールは、おしゃれなデザインの缶も多いので、直感でジャケ買いしたり、雰囲気で楽しむこともできます。お祝いや記念日などのギフトとしても人気がある商品です。代表的なビアスタイルは、飲み比べセットで販売されていることも多いので、お気に入りのブルワリーを見つけたら、そこから新しいビアスタイルに挑戦するのも楽しいでしょう。知れば知るほど、その魅力にハマっていく、それがクラフトビールの世界です。

「ビールの縁側」では、全国のブルワリーから直送のこだわりのクラフトビールを豊富に取り揃えています。好きな時に、好きなブルワリーから、好きな銘柄でお楽しみください!

クラフトビールといっても種類が豊富にあり、ホップの苦味や香りがクセになる「IPA」や、コクの深さが日本人に合う「ペールエール」などさまざまです。

売れ筋ランキングでは週間ランキングや、クラフトビールの種類別ランキングが分かり、最近のトレンドが把握できます。これまで知らなかったクラフトビールに出会え、嬉しい発見ができるはず。

またどのビールが自分好みなのかイマイチわからない方のために、「飲み比べセット」をご用意しました。きっとあなたのお気に入りの味が見つかりますよ。

 

\最後までお読みいただき
ありがとうございます/

LINEでは限定情報や
おすすめビールの紹介もお届け中♪

今ならお友だち登録で
すぐに使える300円OFFクーポン
プレゼント中🎁

気になった方は、ぜひこちらから▼

LINEお友だち登録

何を買おうか迷っている方へクラフトビールランキング

この記事をシェアする

Facebookアイコン Xアイコン Instagramアイコン YouTubeアイコン
タイトルロゴ

おすすめのコラム